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過重労働解消キャンペーンによる監督署調査 結果対象事業場の71.9%が法令違反
厚生労働省は昨年11月に「過重労働解消キャンペーン」を実施し、労働基準監督署による重点監督などを進めました。先日この実施結果が発表されました。
今回行われた重点監督は、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、『若者の使い捨て』が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施されたものになります。
結果を見てみると、対象となった9,120事業場のうち6,553事業場(全体の71.9%)において労働基準関係法令違反がありました。主な違反内容は以下のとおりとなっています。
■違法な時間外労働があった: 2,807事業場(30.8%)
■賃金不払残業があった:478事業場(5.2%)
■過重労働による健康障害防止措置が未実施:1,829事業場(20.1%)
また、この実施結果の中で、監督指導事例と企業が実施した長時間労働削減のための自主的な取組事例が掲載されており、取組事例として、例が紹介されています。
【例:製造業】
○時間外労働の削減
・クラウド型勤怠管理システムを導入し、残業時間や休暇取得状況を「見える化」
・「バーコードによる製品ごとの⼯程管理」の導入により、不具合や発注変更への対応を効率化、数値化
○年次有給休暇の取得促進
・業務に比較的余裕のある時期に「ワークシェアリング」を行い、他の社員の業務内容等をお互いに把握することで、休暇を取得しやすい環境を構築
○働きやすい環境づくり
・仕事と子育ての両⽴を⽀援するため、子の小学校入学までの「育児目的休暇(有給)」、小学校3年到達までの「時短勤務制度」を整備、子の出生後8週間以内の「育児休業を有給化」し、男性の育児休業取得も促進
中小企業については、2023年4月より、月60時間を超える時間外労働に対して、賃金の割増率が50%となります。今回のような事例を参考にする等、長時間労働を削減する取組を、進められてはいかがでしょうか。